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篠田 節子 『夏の災厄
』
うちの父に薦められて最近読んでる作家がこの「篠田節子」さん。
恋愛小説とか、ミステリーとかの分野に限らない作品を書かれています。
この「夏の災厄」は、埼玉県のある町で日本脳炎に似た奇病が発生し、
最初は数人だったのが、いつのまにかどんどん増え続ける。
そこで、立ち上がったのが田舎の医者だが、じつはその医者はすごい経歴の持ち主で・・・
って続きそうなものですが、今回そういったヒーロー的存在はいません。
主人公?は町の役人だし、正直腰抜けです。その彼ですら主役の1人ってかんじ。
それでも読み応えのある結末になってます。
日本脳炎といえば、「蚊」ですよね。行政も住民も「蚊」に振り回され、挙句の果てに効果なし。
行政のお役所的対応と、都会から流れてきて言いたいことだけ言う市民とのやり取りも
おもしろく、妙にリアリテイがあってなかなか面白かった。